建築模型は何で作るの?
博物館や企業のロビー、公共施設などで建築物の模型を見た事がある人はたくさんいると思います。大きな範囲の建物群の模型だったり、住宅の模型だったり、大きな施設の模型だったかもしれません。
いずれにしろ模型を見た時にその建物、もしくはその付近の建物群の特徴を簡単にイメージできたことでしょう。建築模型は建築物のイメージを鮮明にするのに大切なツールです。実は建築模型は趣味の領域だけの話ではありません。
仕事としても注目のスキルです。建築模型を在宅ワークとして副業で行っている人たちがいますし、プロとして専門的に手掛けている人もいます。バイトとしてやっている人もいます。
手先が器用な人や、物を組み立てるのが好きな人にとってはもってこいの作業と言えます。在宅ワークとしての建築模型については様々なメディアで取り上げられてきました。
意外かもしれませんが、建築模型は主婦層に人気の在宅ワークスキルで、中には数万円の単価で模型を作っている人も少なくありません。建築模型は知識やスキルや経験、それにコツが必要とはいえ、特別な能力がないとできないわけではありません。
模型はスチレンボードやスチレンペーパーを素材として作られます。用意する道具はスチのりやスコヤ、カッター、カッティングマット、スプレーのりなど簡単なものばかりです。
道具も素材も比較的簡単に手に入ります。中には100円ショップで購入できるものもあるため、誰でも興味がある人であれば参入可能な分野です。
簡単に作り方を説明すると、まずCADなどで作られた図面データをスチレンボードに貼りつけます(スチレンボードは発泡スチロールの両面に上質紙を貼りつけたもので、スチレンペーパーは紙がはられていないものです)。
図面に沿ってボードを丁寧にカットします。カッターは何回かに分けて切るようにすると丁寧度があがります。そしてのりしろ部分を作って正確に組み立てていきます。
最初は慣れないかもしれませんが、経験値があがれば作業スピードもあがってくるでしょう。
資格が無いと出来ない仕事?
建築模型士になるのに特別な資格は実は必要ありません。民間資格で役立つものはありますが、必ず取得しないといけないわけではありません。建築模型士を専門職として働いている人はいますが、在宅ワークの副業としてスキルを活用する人もいます。
ある意味誰でも建築模型士になることは可能です。趣味として模型をいろいろと制作するのが楽しいという人もいますが、経験値が高ければ仕事としても十分やっていける可能性はあります。
しかしこれまで建築模型はおろか、プラモデルなど何かを組み立てる作業などしたことがないというのであれば状況は変わります。必須でないとはいえ、資格取得を目指して対応講座でしっかり学習した方が良いでしょう。
資格の取得を目標にするなら、まとまった体系的な建築模型知識が身につけられるようになります。資格でオススメの一つは日本デザインプランナー協会主催の「実践建築模型1級・2級」という資格です。
この資格は、建築模型を製作するのに必要な知識や技術や技能を、日本デザインプランナー協会で検討された水準に基づいて評価するものです。有資格者は建築模型の実力が一定以上あることが証明されます。
別のオススメ資格は日本インストラクター協会主催の「建築模型技工士インストラクター)」という資格です。
こちらはスタディー模型やプレゼンテーション模型、検討模型、説明模型、展示模型、体験模型、比較模型、原寸模型などを十分に理解していて、実務に置いて通用するレベルまで達した人に認定される資格です。
どちらの資格も取得する事によって、自宅やカルチャースクールで講師活動をすることができるレベルであることを証明するものとなるため、建築模型を仕事とする場合には、取得しておきたい資格と言えるでしょう。
建築模型資格取得にかかる費用は?
上記の建築模型の資格を取得したいのなら認定試験を受ける必要があります。まずは実践建築模型1級・2級の資格ですが、1級も2級も消費税込で10,000円の受験料になっています。まずは2級を取って、その後1級を取得するという流れで目指せます。
両方取る場合は20,000円の合計受験料がかかります。建築模型技工士インストラクターは消費税込で10,000円となります。もしこれら3つを取得する場合、合計30,000円で3資格を保有する事になります。ただ認定試験に合格するにはしっかりと資格勉強をする必要があります。
資格勉強は独学でやることもできますが、自分でやみくもに勉強するだけの場合、試験で問われることを読み間違えたり、勉強しなかったことが出題される可能性も否定できません。そのため試験勉強は、資格に対応している講座を受講することが一番です。
これら3つの資格に対応している講座の一つは諒設計アーキテクトラーニングの「建築模型・住宅模型デザインコース」です。
諒設計アーキテクトラーニングは、母体が一級建築士事務所である通信講座スクールです。そのため建築模型に関してはエキスパートな集団と言えます。
この諒設計が提供する講座では、初心者でも無理なく建築模型の基本を学びとれます。教材はその道のプロが手掛けたもののため安心感があります。受講料はコースによって値段が変わります。
「建築模型・住宅模型デザイン2級取得講座」は受講料が58,000円となります。「建築模型・住宅模型デザイン1,2級取得講座」の場合、受講料は174,000円です。ただし現在割引価格で受講料が設定されていて120,000円となっています。
前者の場合は学習や添削を経て卒業後に試験を受けて合格すれば取得となります。一方後者の講座では認定試験はありません。
講座の最終試験に合格して卒業を認められると、先述の3資格が100%取得できるカリキュラム内容になっているため、確実に資格が手に入ります。支払い方法など詳細な点については公、式サイトから確認できるので、まずはチェックすると良いでしょう。
2カ月あれば資格が取れる
本講座の受講期間についても説明します。「建築模型・住宅模型デザイン2級取得講座」も「建築模型・住宅模型デザイン1,2級取得講座」も両方とも最短で2カ月という早さで卒業可能です。
まとまった時間を使ってしっかりテキストを勉強する事が必要ですが、早めに建築模型の仕事を始めたいという人にはもってこいです。中には集中して勉強する時間が取れないという人もいるかもしれません。その場合は1日30分といった感じで少しずつ勉強していくことになります。
しかしゆっくりやっても、基本は半年から9カ月くらいの受講期間があれば、十分資格取得達成にたどりつくことが可能です。普段忙しい人でも合間をぬって勉強することによって、人によってはさらに時間を短縮できるでしょう。
通信講座のメリットの一つですが、自宅に限らず出かけ先にテキストを持っていくなどして、勉強の時間を好きなように取れば学習スピードはあがります。場所を選ばない勉強スタイルのため、自分のペースで学習を進められるため、効率化がいくらでも可能です。
平日は30分、週末は2,3時間というように工夫して学習速度を計画してみてください。ちなみに建築模型・住宅模型デザイン2級取得講座の場合は添削が全部で5回あり、建築模型・住宅模型デザイン1,2級取得講座の方は10回の添削となっています。
ちなみにこの講座では質疑応答が無制限で行えるというサポート体制があるため、分からない事があっても学習がとまってしまうことがありません。この点も受講期間の短縮に役立ちます。
建築模型はどんな現場に求められる?
建築模型は建設に関連して必要なツールです。これまでマイホームを注文住宅で依頼した事があるという人であれば分かると思いますが、建築の図面を見ても素人にはあまり構造について伝わらないことがあります。
平面図面で書かれたたくさんの線や記号や略称や数字を見てもいまひとつピンとこないものです。またマイホームでなくても何かの建築計画に携わっている人の場合設計図を見る事がありますが、やはり完成図が想像しにくいということがあるでしょう。
そこで役立つのが建築模型です。建築模型は三次元のミニチュアです。縮尺は変えてありますが、個人住宅やビルやマンションなどの形や特徴が一瞬で把握できます。
外観だけでなく中身の構造も正確に立体化した模型であれば、より全体像がつかめるため、注文住宅や他の構造物の建築プロジェクトをより効率的に進めることが可能です。
平面の図面や画面で立体的に画像を描いた3Dパースも便利ですが、やはり物理的に3次元の模型の方が視覚に訴えます。建築模型はクライアントに説明するためだけでなく、建築士が実際の施工前に間違いがないかチェックするためにも使われます。
こういうタイプの模型をスタディ模型と呼びますが、建築士はスタディ模型を制作することでイメージを精錬し、ミスがあればそれを修正するようにして完成度を高めます。住宅はもちろんのこと、大規模開発や公共事業等大きな建設プロジェクトでは頻繁にスタディ模型が作成されます。
趣味で建築模型を楽しめる?
建築模型は仕事として活かす事も可能ですが、趣味の範囲で楽しむ事も十分可能です。外注協力者として依頼された模型を制作する場合はスチレンボードの白のまま完成させるのが一般的ですが、着色したり色を変えた素材を使ったりしてディスプレイとしても見栄えがある建築模型を作製する事が可能です。
建物の外観だけでなく中身の間取りも丁寧に作成すれば、ジオラマの一部のようにして楽しめます。模型は趣味の分野として確立されたものです。黙々と作業ができる根気強い人や、手先を使って物を作るのが好きな人には建築模型はかなり楽しい趣味となるはずです。
誰かが作った図面のデータを活用して模型を作るだけでなく、オリジナルデザインの模型を作ると作業はさらに楽しくなるでしょう。JWCADなどフリーで使えるソフトの使い方を学んで、住宅に限らずいろいろなものをデザインして模型にすることで、多くのディスプレイが作れるでしょう。
趣味の延長線上として、自分のオリジナル作品を「minne」などハンドメイドマーケットのような所で販売するのも面白いですし、ブログやインスタグラムを使ってネット上で公開するのもアリです。
また先述した資格講座で学んで建築資格を取ると、他の人にノウハウやスキルを教えてあげられるレベルである事が認められるため、自宅やカルチャースクールで空いた時間を利用して講師活動をするという方法もあります。
建築模型資格でもっとスキルアップ!
すでに説明したように建築模型の仕事をするのに特別な資格が求められているわけではありません。しかし資格を取るということは、第三者の団体から基本的な知識や技術や技能を認められているということになります。
そのため多少なりともその実力に信頼感が生まれると言えます。また模型制作には色々なノウハウやコツも関わってくることを考えれば、資格を取得するために対応講座で、しっかりと勉強する方が、体系的な模型作りのプロセスを身につけられるでしょう。
何事も基本をおさえることが大事です。独学が悪いわけではありませんが、すでに確立された学習方法を踏襲すればより効率的でしょう。もし建築模型の依頼を受けて模型制作で収入を得たいのであれば、資格対応講座で学習する事が有利に働きます。
例えば先述の諒設計アーキテクトラーニングの「建築模型・住宅模型デザインコース」の講座を卒業すると、当スクールの母体である一級建築士事務所の外注協力者として登録してもらえるようになっています。そして模型制作の依頼を在宅勤務で受けることが可能になります。
全くツテがない状態から模型制作依頼を受けるのは簡単ではないですが、こうしたコネクションが生まれることで副業の可能性を拡げられるようになります。ちなみに模型制作の単価ですが、個人住宅の模型であれば、およそ30,000円から60,000円ほどの単価となります。
またビルやマンションの模型となると80,000円から100,000円の単価になることもあります。模型作りにはそれなりの時間がかかるので、毎日1模型といった働き方は現実的ではありませんが、まずは住宅模型を毎月1つ製作するのに集中するくらいのペースで頑張ってみましょう。
慣れてきたらペースを少しあげて、模型制作の依頼があれば2模型制作するといった具合に目標を定めてみてください。